<内容説明> 「方舟」は昭和二十三年七月、すでに戦前から〈マチネ・ポエティク〉のグループを形成し、戦後いちはやく「世代」や「近代文学」誌上で旗幟を鮮明にし注目された文学者たちの拠りどころとして創刊されました。同人に加藤周一、窪田啓作、白井健三郎、中村真一郎、原田義人、福永武彦、矢内原伊作、森有正が加わり、〈詩・小説・エッセイ等等が同一の創造的基底から発することを信じて仕事を続ける〉と標榜、またそれまでの日本の詩に対する痛切な反省と批判を試みる詩型の探求などで創造実践を通じて新しい美学の世界をめざしましたが、同誌の発行所その他の事情から、同年九月、二号をもって廃刊したものです。加藤「二重の誤解」、窪田「アルベエル・ロオド」、中村「羽のやうに」、福永の長編「風土」などの小説や中村らの詩、注目された矢内原「海について」、加藤「ジャン・リシャール・ブロック」や白井、森の評論・翻訳が掲載されるなど内容は多彩で、桝型の判型とともに美的な雰囲気をもった雑誌です。 |